「HITOTSU学と孫子の兵法の世界」第5回

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HITOTSU学と孫子の兵法の世界、福岡でのシリーズ第5回目となる今回は、第六、虚実篇の内容を皆さんと共有して行きました。

はじめにHITOTSU学の概論的な説明をさせて頂く中で、今回は盧さんから、「認識疾患」という新しいキーワードが提示されました。
様々な体の疾患や精神の疾患があるように、私たち人間は生まれながらにして、人間脳5感覚の不完全な認識による認識の疾患を抱えて生きています。
豚インフルエンザで大騒動になっても日本ではひとりの死者もでていないのに、10年以上毎年3万人以上の方が自ら命を絶っている現状に対して、本当に危機感や切迫感を持って自殺の問題を根本原因から治療していく機運が、社会には充分には広まっていないのではないでしょうか。
自分の脳から生み出された自分の考え・感情をコントロールできないまま、自分の考え・感情に支配され、心を閉ざし、病んで行きながら、ついには肉体までをも自ら殺してしまう深刻な問題と現代日本人は直面しています。

人間とは何なのか、人間が生きている意味が何なのか、人間は何をどのように考えればよいのか。自分の考え・感情をいかにコントロールしながら、自らの人生の主導権を取っていけるのか、それを不可能にさせてしまっている根深い認識疾患を抱えて生きる今までの生き方を大きく変化させる希望の道を、HITOTSU学では案内しています。

その上で、前半はまず、前回までにお伝えした計篇、作戦篇、謀攻篇、形篇、勢篇のポイントを振りかえって行きました。
従来の孫子の解析とは全く異なる切り口で、21世紀を生きる私達全てが避けては通れない心の戦場、「心場」において、いかに戦いに勝利をおさめることができるのか、自らの人生を最大限価値ある楽しいものにするための要点を皆さんと共有して行きました。

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さて、今回の第5回目の講座のメインである虚実篇の内容ですが、虚実篇のポイントはいかにして戦いの相対的優位を獲得し主導権をとるか、という点にあります。
戦場において、もしも敵軍の動きを自在にこちらがコントロールできるような戦いの主導権を握っていれば、その戦いでの相手の命運はもはやこちらの手中にあるのと同じです。
そのような戦いの方策を、孫子は兵の「実」と「虚」の自在の変化と運用によって語っています。
一般的な虚実篇の解析をお伝えした後でのHITOTSU学の観点からの解析では、自らの心と相手の心、それらが交錯する「心場」での心の主導権の取り方が、盧さんから語られて行きました。

人間が、自らの脳が生み出す考えや感情、自らの心に対して主導権を取れないままでは、考えの道筋も整理できず、逆に、誰か別の人の論理や思考、判断基準に従わざるをえなくなってしまいます。
自分の心に負け、他人の心にも負ける生き方ではなく、戦いの主導権を得るために、脳の不完全な認識とそこから来る不完全な判断、思考の次元を超えて、認識次元上昇を果たすことの重要性を改めて皆さんにお伝えしていきました。

また、虚実篇では、兵の運用の理想の極致は、「無形」に到達することであると指摘しています。水のように柔軟で、とらわれず、とどまらず、相手に合わせて自在に姿を変え、有形の相手をすべて包み込み覆ってしまう、そんな「無形」の在り方と同様に、認識次元上昇して出会う「本来の心」そのものになれば、水のような無形の心を手に入れることが出来ます。

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モノ、金、情報だけでは限界を迎えている21世紀、心の時代の勝者となって、日本のソフトパワーで、全世界に対して新しい希望の世界づくりをぜひ広げていって欲しいという盧さんの熱い想いが語られながら終了を迎えた、今回の講座でした。

次回は、武田信玄の風林火山で有名な軍争篇を皆さんと共有して行きたいと思います。
豪雨の後で雨の中ご参加いただいた皆様、本当にどうもありがとうございました。